タロット習慣

タロット習慣

朝起きて、ベッドを出たら窓を開ける。早朝のキリッとした新鮮な空気が部屋に流れ込むと、その空気に押し出されるように夜の間に溜まった自分の気配が部屋からすぅっと抜けていく。それから歯を磨いて、白湯をコップに1杯飲む。歯を磨いている間に銅のヤカンを火にかけて、お湯を沸かすのだ。すでに空腹感を抱いているけれど、朝食の前に軽く運動をする。別に痩せたいわけでもないし、筋肉量を増やしたいわけでもないのだが、いつの頃からか運動が楽しくなってきた。入念なストレッチと軽い自重トレーニングを合わせて30分程度。それからようやく朝食を頂く。珈琲はまだ淹れない。食後にゆったりと珈琲を飲むのが私の至福だ。朝の珈琲の香りはたまらなく幸せを感じるーーー

この人物には朝の習慣がいくつかあります。窓を開けること、白湯を飲むこと、食事の前の運動、食後の珈琲などがそれだ。歯を磨くこと、食事をすることは「義務」に近いもので、習慣とは言わない。習慣とは義務ではないのに、その行動に迷いがない状態を指します。

良い習慣を持つことは間違いなく人生の質を高めてくれることでしょう。ですが「続けたい」と思う反面「続かない」のもまた習慣の一面です。習慣化を成功させるコツは、インターネットの海を泳げばいくつも見かけますが、何より大切なのは「完璧主義」を捨てるということなんじゃないかと感じます。完璧じゃなければやる意味がない、と諦めることなく、読書なら1日1ページでもいいし、雨が降ったからランニングはやめて室内でスクワット15回でもいいし、寝る前に5分ストレッチをするだけでもいい。誰かのためにやるものではないのですから、続けられる「抜け道」を作ってあげることが大切だと言います。



2020年、西洋占星術では天体の動きに基づく大きな転換期を迎えました。自由と多様性が尊重される「風の時代」へと突入したのです。そのためなのかどうかはわかりませんが、確実に私たちの生活習慣はこの5〜6年で大いに変化しました。ヨガを習慣化していると公言する人は、以前から少なくありませんでしたが、瞑想や占星術、タロット等を生活に取り入れるという人が近年増えています。占星術もタロットもかつては占いの代表格として「受ける」ものでしたが、この5年の間に「自ら読む」ものへと変容しつつあります。タロットに関して言えば、カードを所有しているという人が、増えているそうです。

タロットは「難しそう」という声をよく耳にします。78枚のカードには神秘主義を彷彿とさせるような寓意画が描かれ、それぞれに意味があります。「難しそう」と感じる背景には覚えなくてはならないことが、たくさんありそうという側面があるのでしょう。その意味は正位置なのか逆位置なのか、出る向きによっても変わりますから暗記しようと思うと相当な量です。

反面、数多ある占術の中でもタロットは、比較的始めやすいと言われることもあります。その理由もまた絵柄のおかげ。寓意画があることで、カードからインスピレーションを得やすく、正しい読み方は分からずとも始めることができると言います。例えば下記のカードはマルセイユ版タロットの「隠者」のカード。その絵柄と「隠者」という言葉から何か感じるものはありますか?

カードには外套を纏った男性が描かれています。右手にはランタンを、左手には杖を携えて歩いています。ならばこの「隠者」は隠遁の日々から抜け出てきた様子なのでしょうか。はたまた洞窟の奥へと進む、まさに隠遁生活の始まりを示しているのか。あるいは隠遁はベースで「たまたま」買い出しに街に降りてきた瞬間なのか。想像を駆り立てます。カードの読み方としては、そのどれもが正解なのです。「間違い」は存在しません。

例えば仕事に関連する意図を持ちながらタロットを引いて、このカードが出たとします。ならばそれは手広くなんでもやろうとせずに、一つのことを追求せよという意味かもしれない。あるいは洞窟から出るかのように、世に広める時期だという暗示かもしれません。恋愛を意図したならば、相手の気持ちばかり考えるのをやめて、自らの本心に灯りを照らせというメッセージかもしれません。

こうしてみると非常にシンプルです。「暗記しなくては」という観念を手放せば、タロットに対する難しそうだという感覚からは解放されるのでしょう。「難しそうだ」という感覚は、習慣化を拒む完璧主義たる感性と根本的には同質のものなのかもしれません。

11月9日、この地球に新たに一つのタロットが誕生します。宇宙のように広大で、海のように深いタロットのデッキです。「マルチヴァース・タロット」と言います。それでいて心踊るように軽やかなデザインと、鮮やかな色彩を持ったタロットです。

https://rei000.com/products/multiverse-tarot

長らく占いの道具として認識されてきたタロットですが、その特性を知るほどにそれは占いではなく、自己(あるいは相談者)の内面を映し出す鏡のようなものなののだと理解できます。毎朝、一枚のカードを引く。決断の前に自身の本心を映し出すために引く。そんなタロットの習慣がある暮らしを、始めてみませんか?

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