本という私を拡張するもの
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2026年4月に立ち上がった私たちのショップは8月末日現在、未だ取り扱い商品は1点のみ。目下、新商品の開発に向けて、打ち合わせと制作に追われる日々ですが、お披露目できる日はまだ少し先になりそうです。現時点で私たちの棚に並んでいる唯一の品は「本」です。5月に発売された『ビジネス×星(yuji著)』という星読みのスキルをビジネスのシーンで活用しようというものです。
"The Book"といえば聖書を表すように、古くは真理を伝えるための媒体が本であり、それが次第に知識や情報の伝達手段となり、長きにわたる人類と情報の関係の中で、信頼度が築かれたメディアのひとつです。「本に書いてあった」と聞くと、「ネットで観た」と聞くよりはるかに、信頼感を抱くのは、このメディアの成熟度の違いによるのでしょう。もっとも10代にとっては、この感覚すらも異なるのかもしれませんが。
そんな信頼のメディアたる「本」も時代の変遷とともに、その役割を大きく変えてきました。海底を這うケーブル網によって繋がったこの世界では、地球の裏側の出来事さえも、瞬時に知ることができ、体系的に学びたければAIを活用する。情報伝達の中心的な役割はもはや信頼感の薄いはずだった「インターネット」に取って代わられたというわけです。
本を買う人が減れば、書店が減り、書店が減れば一層「本」は身近な存在ではなくなっていく。ネットをひらけば無料で手に入る「情報」のために、なぜわざわざお金を払って本を買うのか、なんて考えることだって珍しくないのでしょう。
ただ、だからと言って、本というメディアの終焉を表しているわけではないと思うのです。かつて印象派の画家たちが写真技術の登場により、写実的に描くという拘束から自由になり「印象や空気感」を描いたように、本もある意味では役割から離れて自由になったのだと、見ることもできます。よく言われることですが、情報伝達のための手段というだけではなく、今や本はオブジェであり、インテリアであり、カルチャーであり、アートでもあるのだと思います。
本棚を見れば人となりがわかる
ところで、この記事を読んでくださっている皆様のご自宅には本は何冊ありますか?10冊以下だという人もいるでしょう。数えたことはないが、100冊は超えているという方もいらっしゃるでしょうか。本は買わないなんて人も少なくないでしょうね。
想像してみてください。ご自宅に本が少なからずあるという方、10冊だけ残してあとは手放すとするならば、その10冊はいったいどれにしますか?
本はあまり持っていないという方、書店に出向いて10冊の本を買いましょうと言われたならば、どんな本を手にしますか?
思い返すと、友人の家で何気なく本棚に目をやると、本のセレクトや並びにどことなくその人らしさが滲み出ていることがよくあります。家具やファッションのセレクト以上に饒舌だと感じるほどに。同様に「どんな本を選ぶか」によって自分という人間が浮き彫りになることでしょう。10冊の本によって、鏡を眺めていても一向にわかることのない「私」という存在を知ることができる。衣服やアクセサリーなど身に着けるものが、皮膚の延長だとするならば、「本」はSENSEの拡張のようなものなのでしょう。
今度の休日、久しぶりに書店に足を運んでみるのはどうでしょう?美しい本が美しいのではなく、情報とは美しいものなのだと気づくかもしれません。気になった本があれば、ぜひ購入してみてください。そして「飾る」のではなく、本棚にしまうのでもなく、家のどこかに置いてみてください。その佇まいもまた、美しいものとなるでしょうから。